バングラデシュ政府、税関職員と徴税官に職場復帰を命令──全国ストライキでチッタゴン港も停止

バングラデシュ政府は6月30日、全国の税務・税関職員に対し、即時の職場復帰を命じた。
税務機関の解体に端を発した全国的なストライキは2日目を迎え、主要貿易拠点であるチッタゴン港の税関業務も全面的に停止していた。
暫定政権は声明で、「職員は直ちに職場に戻り、国益を損なういかなる行為も中止せよ。従わない場合、政府は国民と国家経済を守るために厳格な措置を取る」と警告。
ただし、具体的な制裁内容は明示されなかった。
政府は、輸出入業務の継続を国家経済の要と位置づけ、国税庁(NBR)のすべての業務を「不可欠な公共サービス」と定義。職員には復帰義務があると強調した。
NBR解体と“構造改革”への反発
今回の混乱の発端は、政府が5月12日に発表したNBRの解体と新たな歳入部門の設置である。
政府側は「税制の近代化と効率化」を目的として改革を推進する構えだが、現場の職員らは「雇用の不安定化」と「組織の独立性の喪失」を懸念し、抗議活動を拡大。6月29日からは全国的な全面ストに突入していた。
現場ではNBR議長の辞任や、新制度に対する再検討を求める声が高まっている。
経済界も懸念──「投資環境に悪影響」
バングラデシュ商工会議所や大手輸出業者らは、この事態に強い懸念を示している。
長期化すれば、サプライチェーンや物流、歳入徴収が深刻な影響を受け、既にマクロ経済の不安定化で揺れている投資家心理をさらに悪化させる可能性がある。
ユヌス暫定政権、試される統治力
今回の強硬命令を出したのは、昨年8月の学生主導デモによってハシナ前首相が退陣し、政権を引き継いだムハマド・ユヌス暫定政権である。
ユヌス氏は民主的改革と公正な選挙の実現を掲げているが、急速に高まる現場の不満とどう向き合うかが、その統治力を問う試金石となっている。

バングラデシュでは残念なことに公務員による汚職がいまだに残ってます。正式書類をいちゃもんつけて全然通してくれない、、とか、、
改革は簡単じゃないですね。
外部リンク:
South Asia -South China Morning Post